犬島 精錬所
2012年 10月 21日
|
▼
前から 行ってみたかった 瀬戸内海に浮かぶ小島 「犬島」 の精錬所跡です。
1909年 銅の精錬をするために 建設されたものですが 稼働していたのは10年
今は そのレンガ造りの建物が 廃墟ではなく アートとして 生まれ変わっています。
ここは フェリーが入らないので 小さな船を乗り継いで 行きましたが
う~ん 正直 期待してたイメージが ちょっと崩されてしまいました。
やっぱり 自分の中で感じたかったのは 「廃墟」 であって 作られた「アート」ではないというか
作為的なものが ビシバシ 至る所にあって まぁそれが 昨年のアートプロジェクトなんだけど
本来の姿に あまりにも 手を入れ過ぎてるというか 廃墟から 学ぶものって あるのに
それを 失ってもアートにしなければならない さもしさみたいなものを 感じてしまいました。
ここでは 地元のおばあちゃん チエコさんに 当時のお話を聞かせてもらったんですが
これができた 当時は この小さな島が 華やかに栄えた・・・というような 話ではなく
この精錬所から 24時間モクモク発せられる煙と 鉱毒排水問題が かなり深刻で
石の産出で 生計をたててた 緑豊かなこの小島が あっという間に はげ山となり
草木が一本も生えず キレイだった井戸水は 飲むことができない島となった という話でした。
チエコおばあちゃんの お母さん達が どれだけ苦痛な 暮らしを強いられたか
そんな話を 聞くと レンガにまで手を加えて アートに変貌した この精錬所は
むしろ 廃墟で残した方が 良かったのではないかとすら 思えたのでした。
また来年 アートプロジェクトを 再度するために あちこち 作品を工事してましたが
確かに プロジェクトによって落とされるお金も 半端ないし それで島民も潤うだろうし
そんな機会が ないと こんな小さい島には 訪れる人も いないんだろうけど
なんか 奇をてらったオブジェ作品と 島の人の暮らしが あまりにもかけ離れていて
直島や豊島 とは また違った違和感を どこか 感じざるを 得ませんでした。
by yume-maboroshi
| 2012-10-21 21:20
| 瀬戸内スナップ
| ▲